「蔵カフェ」オーナーインタビュー

歴史香る街並みにゆったりと時を刻む「蔵カフェ」

「蔵カフェ」は、「府中」駅の南、武蔵国の総社である「大國魂神社」のほど近くにある人気カフェ。創業1860(安政6)年という老舗造り酒屋の蔵を改装した店内では、大きな梁と太い柱が静かに時を刻み、まるでタイムスリップしたようなレトロな空気がほっと心を和ませくれる。この店でオーナーを務めるのは、石塚栄子さん。この人に会いにくるリピーターもきっと多いはず、そう思わせるような人を包み込むような温かい笑顔が印象的だ。府中を愛してやまない石塚さんに、カフェや地域の魅力についてお話を伺った。

造り酒屋の酒粕を使ったオリジナルのラテが人気

蔵の建物で営業している「蔵カフェ」
蔵の建物で営業している「蔵カフェ」

――建物が7代続く老舗造り酒屋・野口酒造店の蔵だそうですね。

そうなんです。ここは「蔵カフェ」になる前、お隣の野口酒造が酒蔵を改装して作った喫茶店で、私はそのお店で働いていました。10年程働いて「どこかに自分のお店を持ちたいな」と思うようになった矢先、いろいろなご縁でここをお借りできることになり、お店をオープンするという念願が叶った次第です。「蔵カフェ」としてリニューアルオープンして、今年でちょうど3年目になります。

――人気のメニューやおすすめを教えてください。

最近当店の看板メニューになりつつあるのが、野口酒造の地酒「国府鶴」の酒粕を使った「酒粕ラテ」です。せっかく酒造の蔵を使用しているので、酒粕のメニューを出したいと考えて作ったオリジナルレシピで、酒粕にミルクとハチミツを加えています。

人気メニューの「酒粕ラテ」
人気メニューの「酒粕ラテ」

体に良い発酵食品を使用しているのが人気の理由でもあると思うのですが、他のお店にはないということもあって、みなさん”一度は飲んでみよう”と思ってくださるようです。最近はお野菜たっぷりの手づくりランチも始めて、女性客を中心に好評です。当店はケーキも全部手づくりなので、そちらも人気がありますね。

お店自慢のチーズケーキ
お店自慢のチーズケーキ

――思わず入りたくなるような素敵な雰囲気ですが、空間づくりへのこだわりはありますか。

実は特にこだわりはないんですよ。オープン当初、蔵の中をどんな風にしたらいいのかわからなかったので、とりあえず、私の家にあったアンティークのカントリー家具を置いてみたら合うかなと思って。昔から少しずつ集めてきたもので、ウインドウや壁、棚のあたりに置いてある家具は全部そうです。

アンティーク家具で雰囲気が作られた店内
アンティーク家具で雰囲気が作られた店内

ゆったりと寛げる語らいの場であり続けたい

――お客様はどのような方が多いですか。

女性の割合が多いですね。お友達や職場の方と利用されていて、特にランチは圧倒的に女性のお客様です。昔はお客様の年齢層が高かったんですが、嬉しいことに、最近は20代、30代といった若い方も来てくださるようになりました。それと、近くにある「府中市役所」や「府中市合同庁舎」にお勤めの方たちが常連さんになってくださって。毎日お店が賑わい、本当にありがたいです。

女性客を中心に多くの人が訪れる
女性客を中心に多くの人が訪れる

――2階のスペースでイベントを開いているそうですが。

2階は30人弱が入るスペースになっていて、第3火曜日にジャズコンサートを、またギターのライブも開いています。建物に音響効果はありませんが、蔵の作りの影響で結構音色がよく響きますよ。ワンドリンク付きで、カフェメニューも注文していただけます。酒屋さんによる利き酒の会もあります。そのほか、陶芸展や書道展など、ギャラリーとしても貸出ししています。

2階では様々な催しが開かれる
2階では様々な催しが開かれる

――今後、「蔵カフェ」はどのようなお店でありたいですか。

お客様にゆっくりした時間を過ごして寛いでほしいし、たくさんお話をする場であってほしいですね。カウンター席があり、そこで私はお客様のお話を聴く立場なのですが、私が聴くことで少しでもお客様の気持ちが楽になったり、頑張ろうと思ってくださったら嬉しい。カウンターで座られたお客様同士がお友達になることもあって、ここでいい関係を作られているなと思います。

大手のチェーン店はたくさんありますが、個人がカフェを運営していくにはなかなか厳しいのが現状。だからこそ、「蔵カフェ」はこのまま変わらず、ずっと長く続けられたらなと思っています。

交流の場となる「蔵カフェ」
交流の場となる「蔵カフェ」

神聖な社に守られた花火の音が聞こえる街

――府中の街のお気に入りスポットを教えてください。

やはり、街のシンボルでもある「大國魂神社」ですね。毎月1日はできるだけお参りすることにしています。大変歴史がある神社ですし、行っただけで気持ちがすっとする感じがします。やはりパワースポットだからでしょうか。武蔵の国を守ってくださっていると思いますよ。

「大國魂神社」
「大國魂神社」

――最後に、府中の魅力についてお聞かせください。

緑が多く、毎月のように「大國魂神社」のお祭りがあるので、本当に花火がよく鳴る街です。7月は「すもも祭り」がありますし、8月は「八朔相撲祭り」、9月は「くり祭り」、11月になると「酉の日」で、そしたらすぐに暮れです。どのお祭りも盛り上がりますし、この街へ来て本当に良かったなと思っています。

歴史ある街、府中
歴史ある街、府中

そういえば、ちょうど店の前にあるのが御旅所(神霊の渡御のとき、神霊を仮に安置するところ)で、「くらやみ祭り」の時は8基のお神輿が一泊される場所なんです。「蔵カフェ」に座って向こう側を見たら、いつもとはちょっと違う、いい景色が目に映るんではないでしょうか。

石塚栄子さん
石塚栄子さん

蔵カフェ

オーナー 石塚 栄子 さん
所在地 :東京都府中市宮西町4-2-1
電話番号:080-9170-3954

※この情報は2017(平成29)年7月時点のものです。