都心で注目の再開発計画をチェック!都心エリアの未来予想図レポート

急展開でオフィス拠点化が進む「虎ノ門」、100年に1度と言われる大開発「渋谷」、日本一の超高層ビルが誕生する「東京・八重洲」、国際アート・カルチャー都市を目指す「池袋」など、ビッグプロジェクトが続々と進む都心エリア。最先端の華やかさと利便性を備えながら、さらなる再開発計画が予定されています。

大規模な再開発に注目が集まる理由は、防犯や防災上の観点はもちろん、交通アクセスの整備、商業施設の誕生により利便性が向上し、街の将来性や価値の向上が期待されることにあります。

今回は、特徴的な再開発計画をご紹介しながら、今後都心エリアがどのような姿になっていくのかをレポートします。

虎ノ門・麻布プロジェクト
虎ノ門・麻布プロジェクト

新たなビジネス拠点開発が急展開で進む虎ノ門エリア

虎ノ門エリアは2014(平成26)年に「虎ノ門ヒルズ 森タワー」が誕生して以降、様々な再開発が行われてきました。

最近では、「虎ノ門・麻布台プロジェクト」が2023(令和5)年の竣工を目指して進行中です。「緑につつまれ、人と人がつながる「広場」のような街」をコンセプトに「六本木ヒルズ」に匹敵する規模で開発予定。超高層ビル3棟を中心に、住宅、オフィス、商業施設、ホテル、広場のほか、都心最大級のインターナショナルスクールも開校されます。
これまでサントリーホールなど文化・芸術面を取り入れたまちづくりの経験を活かし、「街全体をミュージアム」とするコンセプトも掲げ、延床面積約9,000平方メートルのミュージアムやギャラリーなど文化施設を整備。さらにオフィスや広場、ホテルなど、計画地のあらゆる場所でアート・文化あふれる空間づくりを行うなど、特徴的な取り組みでも注目が集まっています。

虎ノ門ヒルズ 森タワー
虎ノ門ヒルズ 森タワー

虎ノ門・麻布台プロジェクト
虎ノ門・麻布台プロジェクト


100年に1度と言われる大開発も佳境を迎える渋谷エリア

都内有数のターミナル駅、そしてショッピングタウンである「渋谷」駅周辺では、次の100年につなげるための開発が多数進められてきました。

渋谷の再開発のテーマは「成熟した国際都市」、そして「クリエイティブシティ」で、近年はIT産業のオフィスが集まる街にもなっていることも特徴です。

2012(平成24)年に「渋谷ヒカリエ」が誕生して以来、「渋谷」駅周辺では多くの再開発が進み、街の更新が図られてきました。

渋谷のスクランブル交差点
渋谷のスクランブル交差点

中でも「渋谷スクランブルスクエア」は、屋上に日本最大級規模の屋外展望施設「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」を備えていることからも注目を集めました。


また2020(令和2)年7月には、公園×商業施設×ホテルが一体となった渋谷の新たなランドマーク「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」が開業しました。

開発コンセプトは、「あたらしい刺激や話題」と「快適さや居心地のよさ」の異なる2つの要素がボーダレスに混ざり合い、訪れるたびに新しいヒト・モノ・体験・文化に出会える場所。 多様なカルチャーが生まれてきた「渋谷」というエリア特性、自由で開かれた場としての「公園」の魅力、そして「新しい時代」における価値観という3つの要素を中心に、新しい体験を創出・提供する文化発信・交流ハブが完成しました。

「ミヤシタパーク」は屋上の公園のほか、1階~3階には全長約330m、約90の店舗が入る商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」、新ホテルブランドのフラグシップホテル「シークエンス ミヤシタパーク(sequence MIYASHITA PARK)」などが入居し、周辺エリアの新しいカルチャースポットとして生まれ変わっています。

MIYASHITA PARK
MIYASHITA PARK


「国際アート・カルチャー都市」を目指して整備が進む池袋エリア

ハレザ池袋完成予想イメージ
ハレザ池袋完成予想イメージ

都内有数の巨大ターミナル「池袋」駅周辺は、ショッピングタウンとして、また「東京芸術劇場」など文化施設が多いことから近年はサブカルチャーの発信地としても注目を集めてきました。

特に「国際アート・カルチャー都市」のシンボルにもなっている「ハレザ池袋」は2019(令和元)年11月の1,300席の「東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)」と「としま区民センター」のオープンを皮切りに、2020(令和2)年7月には1,700席10スクリーンのシネマコンプレックス「TOHOシネマズ池袋」も誕生。隣接する「中池袋公園」もリニューアルされ、アニメ関連を中心としたイベントを開催するなど、賑わいを見せています。

東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)


「池袋」駅西口でも「国際アート・カルチャー都市」の実現に向け、多くの開発が進められています。2019(令和元)年に完成した「池袋西口公園」は、オーケストラやミュージカルも可能な舞台装置、パブリックビューイングなどに利用できる大型ビジョンも用意されており、隣接する多様な4つのホールを統合する巨大アトリウム「東京芸術劇場」と連携した劇場空間となりました。

「池袋西口公園」
「池袋西口公園」

 


八重洲、日本橋など「東京」駅周辺でも特徴的な開発計画が進行中

東京駅前常盤橋プロジェクト
東京駅前常盤橋プロジェクト

東京都内のCBD、「東京」駅を中心とした八重洲、大手町、日本橋エリアでは近年、オフィスビルの建て替えが急ピッチで進んでいます。その多くは、単なるオフィスを目的とした施設ではなく、国際的なカンファレンスや商業施設、宿泊機能を持つものなど、複合的な施設へと生まれ変わっていることが特徴です。

高さ390mという日本一の高さを誇る高層ビル「TORCH TOWER(トーチタワー)」が話題の「TOKYO TORCH(東京駅前常盤橋プロジェクト)」は、「東京」駅周辺では最大の3.1ヘクタールという大規模計画です。

江戸城の玄関口「常盤橋御門」があったエリアで行われるこの計画では、都心最高層クラスの展望施設、国際級ホテル、大規模ホールと商業ゾーンが設けられる「TORCH TOWER(トーチタワー)」と、7,000平方メートルという広場が整備されることでも注目を集めています。
また、商業ゾーンには、銭湯発祥の地ともいわれる常盤橋ゆかりの温浴施設「常盤湯」が整備される予定です。

さらに、防災や有事の際に備えて、災害復旧活動の拠点機能を担うための大型ビジョン、Wi-Fi環境等の各種設備を実装するほか、大規模ホールは、帰宅困難者の一時滞在施設、一時滞留スペース等として活用されます。


江戸時代から経済の中心地であった日本橋では、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」が開発コンセプトの「日本橋再生計画」の第3ステージが進行中です。対象となるエリアを隅田川から日本橋川に挟まれた「GREATER日本橋」に広げ、首都高速道路の地下化と連携して進められる日本橋川沿いの親水空間の整備に期待が高まります。

日本橋再生計画
日本橋再生計画


「暮らす」観点から、再開発と街の将来性を考える

官庁街、オフィス街などの性格を持つ街が独自の進化を遂げながら、歴史を積み重ねてきた都心エリア。 新たな施設、交通ネットワーク等の誕生による利便性の向上は、都心エリアを暮らしの場と考える際も大きなメリットとなります。 街の魅力・価値が将来的にどうなっていくのかは、非常に重要なポイントです。
さらに世界へと開かれ、その価値も向上していくこと予想される都心エリア。暮らしの場として検討する価値は十分にあるのではないでしょうか。