日本橋をゆっくり流れる隅田川

日本橋界隈には、東京都北区の新岩淵水門で荒川から分岐し、新河岸川・石神井川・神田川などの支流河川と合流し、最後は東京湾に注ぐ全長23.5キロメートルの一級河川「隅田川」が流れている。

この河川を有名にしているのは、何といっても「隅田川花火大会」だろう。これは毎年7月末に行われる、関東を代表する一大大会であり、江戸中期に始められたといわれている。当日の人出は95万人とも100万人とも…。

隅田川花火大会

また、隅田川には数本の橋が架けられているが、その中でもっとも美しく有名なのが「清洲橋」である。この橋の西岸は中央区日本橋中洲、東岸は江東区清澄一丁目。つまり「清洲」という名称は、建設当時の両岸である深川区清住町と日本橋区中洲町から命名されたのだ。作られたのは1928(昭和3)年であり、関東大震災の震災復興事業として、「永代橋」と共に計画されたのだとか。「帝都東京の門」と呼称された永代橋と対になるような設計で、「震災復興の華」とも呼ばれた優美なこのデザインは、当時世界最美の橋と呼ばれたドイツ・ケルン市にあった大吊り橋をモデルにしている。ただ、残念ながら、この橋は第二次世界大戦で破壊され、現在は吊り橋ではないが。ただ、清洲橋のほうは歴史に翻弄されながらも現存し続け、今でも夜の川面にその姿を映し出している。清洲橋は、2000(平成12)年には「永代橋」と共に土木学会の「第一回土木学会選奨土木遺産」に選定され、2007(平成19)年6月18日には、都道府県の道路橋として初めて、「勝鬨橋」や「永代橋」と共に国の重要文化財(建造物)にも指定されている。

永代橋

「男女7人夏物語」などのテレビドラマの収録にも使われているので、記憶の中に残っている人も多いだろう。

さて隅田川に話を戻そう。この河川には「隅田川テラス」と呼ばれる川を眺めながら散策することができる親水遊歩道など、散歩コースにはもってこいの施設がたくさんある。

これに加えて東京都では、人が水辺に近寄りやすい「スーパー堤防」の建設も全域で進めている。計画には、水際の遊歩道であるテラスを増やしたり、動植物の生息に配慮したテラスやビオトープを作ったりする内容が盛り込まれていて、完成すれば野外コンサートが開けるようなスペースも登場するのだとか。残念ながら、一時、工場や家庭の排水が流れ込むことにより水質が悪化した隅田川ではあるが、現在は下水道の整備により改善が進み、美しい川へと変貌を遂げている。今後堤防整備が完了するころには、隅田川もその川べりも一変しているだろう。その時には、冬に飛来するユリカモメの姿がもっと増えていたり、淡水魚も観察できるようになっているかもしれない。そんな未来を信じつつ、この河川の変化を見守ってゆきたいものだ。

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