再開発進む、日本橋再生物語

「お江戸日本橋七つ立ち、初のぼり~」

民謡にも歌われたように日本橋は江戸に幕府ができた当初から五街道の起点と定められ、全国からヒトとモノが集う商工業の中心地として栄えてきた。明治大正以降となってもその役割は変わらず、現存する建物は多い。金融の中心としての日本銀行本店、東京証券取引所、三井本館、老舗百貨店の三越、タカシマヤが次々と建てられ変わらぬ繁栄を謳歌してきていた。

現在でも大企業の本社等が多く所在し、オフィス、商業の両面で多面的な街を形成している。しかしながら、それらの象徴的な施設・建物に続く、新しいこの街のランドマークとなるようものは長らく生まれてこなかった。東京の他の地域の町並みがダイナミックに変貌していくのと比較して、やや遅れを取っていた感があるのも事実だった。1999(平成11)年の東急百貨店の閉店前後においてはとくに顕著だったように思う。

そうした町並みにもやっと近年、再開発の機運が高まり、多くの新しい建物が竣工してきつつある。ここではそういった再開発に絡んだ建物を紹介していくこととしよう。

【日本橋一丁目ビルディング(COREDO日本橋)】

日本橋地区再開発の嚆矢となった最初の大規模プロジェクト。商業施設部分は「COREDO日本橋」の愛称で親しまれており、スペイン本店がミシュランスペイン版で三ツ星を獲得した「サンパウ」など、日本橋らしい大人の魅力にあふれた名店が入居。オフィス部分にはメリルリンチ日本証券、早稲田大学日本橋キャンパスが核テナントとして入居している。

【日本橋三越新館】

近年、地方店舗等の撤退が相次いでいた三越が原点回帰を狙い、日本橋本店隣に新館をリニューアルオープンさせた。銀座方面から中央通を日本橋に向かえば、橋を越えたところに大きく三越のマークが見える。周囲との景観の調和を考えたデザインは老舗ならではの安心感を上手く表現できているといえよう。

 【日本橋三井タワー】

日本橋エリアにおける初の超高層複合ビル。地域のランドマーク的存在となった。そのデザインには歴史的建造物の多い日本橋の街並みに溶け込む様々な工夫が凝らされている。三井不動産をはじめとする三井グループの多くの企業が入居。上階部分は世界有数のラグジュアリーホテルを展開するマンダリンオリエンタルが初の日本進出を果たし、開業1年を立たずして「6つ星ホテル」に選出されている。

【三井本館】

江戸時代呉服の「越後屋」が店を構えて以来、日本橋は三井グループの本拠地となってきた。関東大震災により瓦礫と化した東京の早期復興をになって建てられた三井グループを代表する建造物。1998(平成10)年には大規模オフィスビルとしては初の重要文化財の指定を受ける。今回、三井タワーの建設に伴い、内部を大改装され三井家ゆかりの品を集めた「三井記念美術館」やマンダリンオリエンタル東京のバンケットルームが設けられた。

そして、何といっても最大の話題は「日本橋の景観再生」。日本橋の上を走る首都高速道路を移設し、日本橋を本来の姿に戻そうというもの。実現までにはまだまだ時間を要するが、日本橋本来の姿が訪れる日がやってくると思うとなんだかワクワクしてくる。

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