日本橋の地位

地位という言葉があるのはご存知ですか。「ちい」ではなく、「じぐらい」と読み、その土地の位(くらい)のこと、すなわち土地の品格のようなものと捉えれば良いでしょうか。その高低を計るものとしては、たとえば古くからの歴史や文化があるかどうかとか、著名人の邸宅があるとか、有名校や有名病院があるといったものが挙げられますが、皆さんもご存知のとおり、これらを数値化するのはとても難しいことです。では、中央区日本橋エリアの地位(じぐらい)は、果たしてどのくらいのものと認識されているのでしょうか。

蛎殻町公園
蛎殻町公園

結論から言えば、その地位(じぐらい)は「高い」といえます。蛎殻町や人形町の辺りは、歴史のある建造物や文化が古くから存在するところとして認知されており、地名となっている橋梁「日本橋」には、東海道や中山道といった日本の主要幹線道路の起点とされる日本国道路元標が埋め込まれていて、国の重要文化財に指定されています。周囲に「日本銀行」や「東京証券取引所」、老舗の飲食店や繊維街などが存在していることも、歴史や風格を感じさせるひとつの要因となっています。

甘酒横丁の様子
甘酒横丁の様子

かつて日本橋区と京橋区が統合されて中央区が誕生した時に、区名の候補として「大江戸区」が挙げられていたということも、この土地の地位(じぐらい)の高さをうかがえる事実と言えます。

地位の高さが将来的な資産価値を決める

徒歩圏内に“銀座”や“築地”という魅力的な街が存在するのも、日本橋エリアの地位(じぐらい)を高めている要因のひとつといえるでしょう。銀座の魅力については、いまさら多くを語る必要はありませんが、人気ブランドのアンテナショップや大手百貨店などが軒を連ねる街。過去には都心の名所でもあった卸売市場「築地市場」の存在も、日本橋エリアがショッピングにも便利な街と認められる一大要因になっていました。

銀座三越
銀座三越

また、日本橋エリアは「日本橋室町東地区開発」をはじめ、20年ほど前からウォーターフロントの再開発計画が推進されており、その結果、近代的なビルが建ち並び賑わってきていますが、同時に周辺との調和を考慮して、古い軒並みを保存しようという動きもあります。「日本橋の景観再生」をテーマに、日本橋の上を走る首都高速道路を移設し、日本橋を本来の姿に戻そうという動きもそのひとつ。これも日本橋エリアの地位(じぐらい)を押し上げる要素となっているのは言うまでもありません。

地位(じぐらい)が高いということは、将来的な資産価値も高いまま維持される可能性が高いということ。住まい選びの基準の一つとして、考慮しておくポイントになるのではないでしょうか。